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2026/01/01
卒業式が近づくと、「袴と着物は何が違うの?」「袴だけ着るの?」と迷う方は少なくありません。本来、袴は着物と切り離された存在ではなく、「上半身の着物」と「下半身の袴」を組み合わせて1つのスタイルが完成します。
この記事では、袴と着物の基本的な関係性と主な種類、卒業式に袴が選ばれてきた理由、そして衣装選びで押さえたいポイントを順に整理。初めての和装でも、落ち着いて卒業式のコーディネートを決められるようになることを目指します。
目次

袴と着物はどちらかを選ぶような関係ではなく、着物という大きなカテゴリの中に袴が含まれるイメージを持つと理解しやすくなります。
着物はからだ全体を包む和服そのものを指し、その上から重ねて身に着ける下半身の装いが袴です。卒業式でよく見かけるスタイルは、振袖や二尺袖などの着物に袴を合わせた装いであり、着物か袴かという二択ではありません。
袴と着物の関係性や役割の違いは、次のように整理できます。
| 着物 | からだ全体にまとい、衿・袖・裾などのデザインで格や雰囲気を表現する和服 |
| 袴 | 着物の上から腰に締めて身に着ける「スカート」や「キュロット」のような役割の衣装 |
| 袴スタイル | 上半身は着物、下半身は袴という組み合わせで完成するフォーマルなコーディネート |
卒業式での袴姿は、着物の華やかさと袴の動きやすさを両立させたスタイルです。着物だけのコーディネートに比べて歩きやすく、段差の多い会場でも移動しやすいというメリットもあります。そのうえで、振袖や二尺袖など、どの種類の着物を袴に合わせるかによって印象や格が変わってくるため、袴と着物それぞれの種類を押さえておくと、卒業式の衣装選びがぐっとスムーズになります。
袴にはさまざまな形がありますが、卒業式や式典で主に着用される一般的な袴は、「馬乗り袴」と「行灯袴」の2種類に大きく分けられます。中の形や動きやすさ、与える印象などがそれぞれ異なり、同じ袴スタイルであっても、どちらを選ぶかで雰囲気が変わります。
現代では、馬乗り袴は男性の礼装や武道の装いとして用いられることが多く、行灯袴は女性の卒業式スタイルの定番として広く浸透していますが、どちらも本来は性別を問わず着用できる正式な袴です。
馬乗り袴は、袴の内側が二股に分かれ、左右の足をそれぞれ通して着用するタイプの袴です。江戸時代には武士が乗馬をするときの正装として用いられてきた歴史があり、足さばきの良さと機能性が大きな特徴です。キュロットスカートのような構造で、裾さばきがしやすく動き回る場面にも向いています。
現在でも、茶道や弓道、剣道といった武道の装いとして馬乗り袴が選ばれることが多く、凛とした雰囲気やきりっとした印象を与えたい場面に適した袴と言えます。卒業式で女性が馬乗り袴を着用するケースは多くありませんが、「格好良い印象にまとめたい」「武道を続けてきた自分らしさを表現したい」といった希望がある場合には、選択肢の1つとして検討できます。
行灯袴は、内側に仕切り(襠)がなく、筒状に仕立てられたスカートのような形の袴です。中で足が一つの空間に収まるため、一般的なスカートと同じ感覚で歩きやすい点が特徴です。裾がふんわりと広がるシルエットになるため、可憐で上品な印象を演出しやすく、卒業式での女子学生の袴スタイルとしてもっともポピュラーなタイプになっています。
明治時代に女学生の制服として袴が普及した際にも、この行灯袴が多く採用されました。着崩れしにくく、着付けが比較的簡単な点も魅力で、レンタル袴の多くが行灯袴を採用しています。カラーバリエーションや柄の種類も豊富なため、振袖・二尺袖と組み合わせながら、自分の好みに合わせた卒業式コーディネートを選びやすい袴です。
袴と組み合わせる着物にはいくつか種類があり、それぞれ格や着用シーンが異なります。卒業式では、振袖や二尺袖などの華やかな着物を袴に合わせるスタイルが一般的ですが、和装全体を理解するためには、主な着物の種類を大まかに押さえておくと安心です。
着物には、第一礼装から普段着まで幅広い種類があり、代表的なものとして振袖・留袖・訪問着・紬などが挙げられます。これらは柄の入れ方や袖の長さ、紋の有無などによって格が変わり、「結婚式」「卒業式」「お茶会」「観劇」といったシーンごとにふさわしい着物が異なります。
ここでは、卒業式コーディネートを考えるうえでも知っておきたい4種類の着物について特徴を紹介します。

振袖は、未婚女性の第一礼装とされる格の高い着物で、長く大きく振れる袖が最大の特徴です。成人式の装いとしてよく知られていますが、結婚式への参列や格式高いパーティーなど、華やかな席でも着用されます。柄は全体に大きく入ることが多く、刺繍や絞りなど豪華な意匠が用いられるため、写真映えする華やかさを出したいときにぴったりです。
卒業式では、振袖に袴を合わせるスタイルも人気があります。振袖の豪華さに袴を重ねることで、上半身は成人式のように華やかに、下半身は動きやすくまとめることができ、式典らしい重厚感を保ちながらも、階段の上り下りや移動をしやすいコーディネートになります。

留袖は、主に既婚女性の礼装として着用される着物で、「黒留袖」と「色留袖」の2種類があります。黒留袖は黒地に裾だけに柄が入り、五つ紋が付いたもっとも格式の高い第一礼装で、親族として結婚式に出席する際などに選ばれます。色留袖は地色が黒以外の留袖で、紋の数によって格が変わり、結婚式や格式ある式典など幅広い場面で着用されます。
卒業式に留袖を着用するケースは多くありませんが、教職員や主賓として出席する場合、フォーマル度の高い式典で選ばれることがあります。留袖は袴を合わせず、袋帯と合わせて装うのが一般的で、落ち着いた重厚感を表現したい場面に向いた着物です。

訪問着は、振袖や留袖に次ぐ格を持つ略礼装の着物で、衿や袖、身頃をまたいで柄が続く「絵羽模様」が特徴です。下半身のみに柄が入る留袖と比べると、上半身にも柄が広がるため、華やかな印象になりやすく、結婚式や入学式・卒業式、お宮参り、お茶会など、幅広いフォーマルシーンで活躍します。
訪問着は、帯や小物の組み合わせによってきちんと感と華やかさのバランスを調整しやすい着物です。卒業式に出席する保護者が選ぶ場合には、落ち着いた色合いの訪問着に袋帯を合わせることで、主役である子どもを引き立てつつ、式典にふさわしい品の良さを表現できます。袴を合わせることはあまりありませんが、卒業式にふさわしい着物として覚えておきたい種類です。

紬は、紬糸と呼ばれる糸を使って織られた着物で、普段着やおしゃれ着として扱われるカジュアルな着物です。糸の風合いや織り柄によって表情が豊かで、落ち着いた色合いのものから個性的なデザインまで幅広いバリエーションがあります。フォーマルな場よりも、街歩きや観劇、食事会など、日常の中で少しおしゃれを楽しみたいときに向いている着物です。
紬は原則として礼装には向かないため、卒業式など格のある式典で着用する場合には注意が必要です。ただし、「紬の訪問着」のように、紬地でありながら柄付けや仕立てによってフォーマル寄りに作られている着物もあり、着る場面を選べばセンス良く見せることもできます。卒業式で袴を合わせる着物としては振袖や二尺袖が中心ですが、着物全体の種類と格を理解しておくと、家族全体のコーディネートが組み立てやすくなります。
卒業式といえば「袴姿」を思い浮かべる人も多いほど、袴スタイルは式典の定番です。もともと袴は平安時代の宮中で十二単の一部として着用され、明治時代には女学校の制服として広まりました。当時、高等女学校へ進学できた女性は限られており、袴姿の女学生は「学ぶことのできる女性」の象徴として憧れの存在でした。
動きやすさと上品さを兼ね備えた袴は、学問に励む女性にふさわしい服装として卒業式など節目の場で選ばれるようになります。その歴史は現在まで受け継がれ、卒業式の袴姿は「学びの集大成」と「新しい門出」を象徴するスタイルとして親しまれています。袴を選ぶことは、単に和装を楽しむだけでなく、女学生の歴史や学びへの敬意をまとって式に臨むことでもあります。
卒業式で身に着ける袴を選ぶときは、見た目の好みだけでなく、会場の雰囲気や着物との相性、動きやすさなど、いくつかのポイントを押さえておくと安心です。
主なポイントは次のとおりです。
| ● 卒業式の雰囲気や学校の校風に合う色・柄を選ぶ
公立校や厳かな式典では落ち着いた色合い、華やかな式では明るい色も選びやすくなります。
● 袴の色を着物の色柄とバランスよく組み合わせる 同系色でまとめると上品に、反対色を合わせると写真映えするコーディネートになります。
● 身長と体型に合う袴丈・柄の位置を確認する 背が高い場合は縦のラインが強調される柄を、背が低い場合は裾にポイントがある柄を選ぶとバランス良く見えます。
● 草履・ブーツなど足元との相性を考える 階段や移動が多い会場では、歩きやすさを重視した高さのヒールを選ぶと安心です。
● レンタルショップや写真スタジオで試着し、着付けサポートも確認する 実際に合わせてみることで、写真写りや動きやすさを具体的にイメージできます。 |
袴は一生に一度の卒業式の思い出を彩る大切な衣装です。早めに相談・試着を始め、好みと式典の雰囲気の両方を満たす一着を選ぶことで、当日を心から楽しめる卒業式コーディネートが完成します。
袴と着物はどちらか一方を選ぶものではなく、着物の上に袴を重ねることで完成するスタイルです。着物には振袖・留袖・訪問着・紬などさまざまな種類があり、卒業式では振袖や二尺袖に行灯袴を合わせた装いが一般的です。
明治の女学生文化を背景に、袴は「学びの節目」と「新しい門出」を象徴する装いとして今も受け継がれています。学校の雰囲気や自分の好み、動きやすさを意識しながら袴を選べば、晴れの日らしい一着に出会えるはずです。今回の内容を参考に、自分らしい卒業式スタイルをイメージしてみてください。
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