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2025/12/01
成人式が雨の日に重なると、振袖が濡れてしまわないか心配になる方は少なくありません。振袖は裾が長く繊細な作りのため、雨水や泥はねが付くと汚れが目立ちやすく、正絹の場合はシミや縮みにつながる可能性もあります。大切な記念日を気持ちよく迎えるためには、移動時の姿勢や歩き方といった所作だけでなく、雨具の準備や素材選びなど、事前の対策を知っておくことが欠かせません。
当記事では、雨の日の成人式でも振袖をきれいに保つためのポイントを解説します。
目次

雨の日の成人式では、振袖をできるだけ濡らさず、きれいな状態を保つための所作が重要です。特に裾まわりは雨水や泥はねが付きやすく、歩き方や裾の扱い方を少し工夫するだけで汚れを大きく減らせます。ここでは、雨の日に振袖を着るときに注意したい所作を紹介します。
振袖は丈を短く調整できないため、地面に近い裾は雨の日に最も濡れやすい部分です。移動中は右手で前身頃と下前をそっとつまみ、数センチだけ持ち上げると泥はねを避けやすくなります。雨コートを着用する場合は、裾を帯のあたりまで仮に持ち上げてクリップで留めておく方法も便利です。ただし、会場に着いたらクリップを外し、裾を元に戻すことを忘れないようにしましょう。
振袖は生地が長く広がるため、通常の歩幅で歩くと靴が跳ね上げた水が裾に当たりやすくなります。雨の日は内股を意識し、歩幅を小さくすることで水はねを抑えられます。足の指で軽く地面を押すように歩くと滑りにくく、余計な動きを減らせます。
急いでいるときは大股になりやすいので、時間に余裕を持って移動することがきれいな着付けを保つポイントです。

雨の日の成人式は、振袖を濡らさず会場へ向かうために車での移動がおすすめです。美容室での支度後は、タクシーや自家用車を事前に手配しておきましょう。
車に乗り降りする際は、姿勢に注意する必要があります。座席に深く腰掛けると帯がつぶれる恐れがあるため、浅く腰掛けて帯が背もたれに当たらないようにします。車内では裾を軽くまとめるようにして、ドア付近の汚れに触れないよう気を付けましょう。
雨の日の成人式では、振袖を濡らさず美しい状態を保つための対策が欠かせません。適切な雨対策グッズを準備しておくと、悪天候でも安心して移動でき、写真映えも損ないません。ここでは、雨の日に役立つアイテムと素材選びのポイントを詳しく紹介します。
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雨の日に最も頼りになるアイテムが、和装専用の雨コートです。防水・撥水性の高い素材で作られており、振袖全体をしっかり覆うことで水濡れや泥はねを防ぎます。
一般的な一部式タイプは、肩から裾まで一体でカバーできる点が特徴です。一方で、上下が分かれた二部式タイプは着丈の調整がしやすく、裾が地面に触れていないか確認しながら着用できます。
雨コートは成人式直前になると品薄になることが多いため、早めに準備しておきましょう。
雨の日の足元対策として、草履カバーと足袋カバーは必須アイテムです。
草履カバーは草履全体を包み込み、地面からの水はねを防ぎます。裏面に滑り止めが付いたタイプなら、雨の日でも歩きやすく安全です。足袋カバーは足袋の上から重ねて履く防水カバーで、見た目が足袋に近いため違和感がありません。室内では脱ぐ必要があるため、入口で外せるよう準備しておくと安心です。
また、近年は雨の日にブーツスタイルを選ぶ方も増えています。フォーマル度はやや下がりますが、成人式後に友人との移動が多い場合や足元が心配な方におすすめです。
成人式の靴は何を履けばいい?草履・ブーツのメリットや選び方を紹介
雨草履は、水や汚れに強い素材で作られた和装用の履物で、雨の日の移動を快適にしてくれます。合皮やエナメル、ビニール素材は雨を通しにくく、足袋の汚れを大きく減らせます。
通常の草履は濡れると傷みやすいため、移動時のみ雨草履を履き、会場に着いたら一般的な草履に履き替える方法がおすすめです。雨草履と草履カバーを併用できれば、足元の濡れをさらに防げます。
雨の日は足袋が特に汚れやすいため、撥水加工された足袋や足袋ソックスが役立ちます。水を弾きやすい仕様になっており、小雨程度なら足元の濡れを抑えられます。さらに、移動中に汚れが付いてしまうことを考えると、白足袋の替えを1足以上持ち歩くのが安心です。
会場に着いたら、清潔な足袋に履き替えることで装い全体が引き締まり、礼儀としても良い印象になります。成人式のように人が多い場所では足元が濡れやすいため、替えの足袋は必須のアイテムです。
雨が心配な場合は、振袖の素材選びも重要です。正絹の振袖は水に弱く、濡れるとシミや縮みの原因になることがあります。対してポリエステル素材の振袖は水に強く、汚れても自宅で洗えるタイプが多いため、雨の日でも扱いやすい点がメリットです。
また、振袖に防水スプレーを使用するときは注意が必要です。一般的な防水スプレーを正絹に使用すると生地にシミができる恐れがあるため、スプレーを使う際は必ず素材を確認しましょう。
雨の日の外出では、濡れた部分を軽く押さえて水分を取れるハンドタオルが便利です。タオルはこすらず、優しく押さえて水分を移すことが大切です。
雨の日は、濡れたタオルを入れるためのビニール袋も必ず用意しておきましょう。会場内でタオルをそのままバッグに入れると、ほかの小物が湿気を含んでしまいます。ビニール袋は草履カバーや足袋カバーを外した後の一時保管にも役立ち、帰り道の荷物整理にも便利です。
雨の日に振袖を守るためには、傘選びも重要です。一般的な傘では帯の結び部分まで覆い切れず、肩や袖が濡れてしまうことがあります。成人式では帯の飾り結びが立体的になるため、傘は大きめのサイズを選ぶのが安心です。
使用後は着物に当たらないよう、傘カバーに入れて持ち歩くと安心です。濡れた傘による水滴移りを防ぐためにも、傘のサイズと扱い方に注意しましょう。

歩き方や雨具で対策していても、悪天候では振袖が濡れたり泥はねが付いたりすることがあります。もし濡れてしまったとき、大切なのは慌てずに応急処置をすることです。ここでは、振袖が濡れてしまったときの対処法を解説します。
霧雨や小雨で部分的に湿った程度であれば、落ち着いて水分を取り除くことで、シミや輪染みを最小限に抑えられます。まず、白くて柔らかいガーゼや手ぬぐいを使い、濡れた箇所に優しく押し当てて水分を吸収します。水分を吸い取った後は、風通しのよい室内で陰干しし、生地の湿気をしっかり飛ばします。
乾燥後は振袖全体を丁寧に確認し、水ジミの跡が残っていないか、色が薄くなった箇所がないかをチェックします。小雨であれば、適切な処置を行うことで比較的トラブルが少なく済むケースがほとんどです。
裾や袖が明らかに濡れている場合や、生地を触ると水が滴るほどの状態では、振袖に縮みや色落ちが発生する恐れがあります。まずはタオルやふきんで、押さえるようにして水分だけをできる限り取り除きます。
応急処置を済ませたら、できるだけ早く呉服店や振袖対応のクリーニング店へ相談します。濡れた状態で長時間放置すると変色やカビのリスクも高まるため、早めに専門家へ任せましょう。
泥はねが付いてしまった場合、すぐに手で触ったり拭いたりするのは逆効果になることがあります。まずは濡れた部分の水分を柔らかい布で軽く押さえて取り除き、その後はしっかり乾燥させて泥を固めることがポイントです。
完全に乾いた後、毛足の柔らかいブラシを使って一方向に少しずつ泥だけを払い落とします。ブラシで取れない汚れや広範囲の泥汚れは、自宅で無理に落とそうとせず、専門店へ相談します。
レンタルの場合は、先にレンタル店へ連絡し、指示を仰ぐのが安心です。自己判断で洗浄を行うと契約条件にかかわる可能性もあるため、必ず確認してから対応しましょう。
成人式が雨の日でも、振袖を美しく保つための対策を理解しておけば、濡れや汚れのリスクを大きく減らせます。裾を数センチ持ち上げたり歩幅を小さくしたりといった所作は、その場ですぐに取り入れられる有効な方法です。また、雨コートや草履カバー、撥水性の足袋などの専用アイテムを活用すれば、移動時の汚れを防ぎやすく安心につながります。
万が一振袖が濡れてしまった場合は、焦らず水分を押さえて取り除き、必要に応じて専門店へ相談しましょう。雨の日用の対策方法を知っておき、特別な一日を安心して迎えましょう。
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