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重ね衿は、振袖を華やかに着こなすためにはかかせないアイテムです。重ね衿の選び方1つで、コーディネートが華やかになったり上品になったりします。重ね衿にはさまざまな色や素材・飾りがついた種類があるので、振袖の着こなしをどのような雰囲気にしたいかを考えながら選びましょう。
当記事では、重ね衿の基本的な知識や選び方、おすすめの種類を詳しく解説します。成人式で振袖を着用する予定の方は、ぜひコーディネートの参考にしてください。
目次
重ね衿は、着物の胸元をより華やかに見せるためのアイテムです。別名「伊達衿」とも呼ばれており、衿元に重ねることで、何枚もの着物を重ねたような華やかな印象にする効果があります。
重ね衿を付けると、着物と半衿の間に重ね衿の色が加わるため、コーディネートの印象を大きく変えられます。
重ね衿は、着物の礼装が略式化されて生まれたアイテムです。昔は、礼装で着物を何枚も重ね着する習慣がありましたが、現代では重ね着の略式礼装として重ね衿が使用されています。
そのため、重ね衿はフォーマルなシーンで用いられることが多い傾向にあります。お祝い事で振袖などのフォーマルな着物を着用する際は、重ね衿を使用するとよいでしょう。
半衿も、着物の衿まわりで使用するアイテムの1つです。重ね衿と半衿は間違えやすいため、違いを理解しておきましょう。
半衿とは、長襦袢の衿部分に重ねて縫い付ける衿です。
長襦袢にはもともと「地衿」と呼ばれる衿が付いており、半衿は地衿を汚れから保護するために使用します。首元は、汗や化粧、整髪料などで汚れやすいものの、着用するたびに長襦袢を洗濯するのは困難です。半衿を付けていれば、皮脂や化粧などの汚れが付いたときに半衿だけを外して洗濯でき、長襦袢の衿を清潔に保てます。
また、色や刺繍入りなどのデザインのある半衿を使って、さまざまなコーディネートを楽しむこともできます。
重ね衿は着物と半衿の間で目立つよう、艶がある裏地付きの生地を使用することが一般的です。一方、半衿は裏地のない1枚の布でできており、仕立てにも違いがあります。
重ね衿には、さまざまなデザインがあります。ここでは、振袖におすすめのデザインとして5種類の重ね衿を紹介します。
2色タイプ | 2色タイプの重ね衿は、人気の高いデザインです。色の組み合わせが豊富なので、振袖の色や柄に合わせた好みのデザインを選べます。
特に人気なのは、金とベーシックカラーの組み合わせです。縁に入った金のラインが、顔映りを一気に華やかに見せてくれます。 |
パール装飾 | 重ね衿の縁をパールで装飾したデザインです。パールは和服との相性がよく、振袖姿を上品にまとめてくれます。衿を縁取るように輝くパールが後ろからも見えるため、後ろ姿をおしゃれに演出できるでしょう。 |
ラインストーン | ラインストーンが縫い付けられている重ね衿は、現代風の振袖に合わせやすいデザインです。きらきらと光るラインストーンが、顔周りを華やかに彩ります。 |
レース装飾 | 重ね衿の表面全体をレースで装飾したデザインや、縁部分にレースが付いたデザインがあります。現代風の振袖に合わせやすく、クラシックな印象をプラスできます。振袖を個性的に着こなしたい方におすすめの重ね衿です。 |
ベロア素材 | 振袖を着用する成人式シーズンは寒いため、ベロア素材を使った重ね衿もおすすめです。光沢感のある起毛生地で温かみを感じさせ、季節感のあるおしゃれな装いに仕上がります。 |
重ね衿にはたくさんの種類があるため、選び方に迷う人も少なくありません。
重ね衿は、合わせ方によって与える印象が変わります。ここでは、重ね衿の選び方を紹介するので、好みに合わせた振袖コーディネートを楽しんでください。
振袖で使っている色と同系色の重ね衿を選ぶと、大人っぽい落ち着いた印象にまとまります。
重ね衿と振袖を同系色でまとめる際は、選ぶ色の濃さによっても与える印象が変わるので、色の濃淡にもこだわって選ぶことがおすすめです。
例えば、振袖に使われている色の中でも薄い色に合わせて重ね衿を選ぶと、上品な着こなしになります。濃い目の色を選ぶと、衿元のラインで全体が引き締まり、すっきりとした印象を与えるでしょう。
ただし、振袖のデザインが寒色系や黒でまとめられている場合は、同系色で選ぶと暗く見える可能性があるため注意が必要です。顔周りが明るく見えるよう、全体のバランスを考えて重ね衿の色を選びましょう。
振袖の差し色を使った重ね衿を選ぶ方法もあります。
重ね衿で差し色を入れることで全体のコーディネートが引き締まり、豪華な印象を与えるでしょう。
差し色の重ね衿がアクセントになって視線を上に集めるため、自然とスタイルアップ効果も期待できます。
重ね衿を差し色にする際は、補色を選ぶと振袖の色味が引き立ちます。例えば、赤系の振袖なら緑、青系なら黄、黄緑系なら紫を選ぶと合わせやすいでしょう。
シンプルな柄の振袖に、複数の色を使った重ね衿を合わせることもおすすめです。明るく元気な印象の、個性的な着こなしに仕上がります。
帯揚げや帯締めなどの小物に合わせて重ね衿を選ぶと、統一感が出ておしゃれな印象になります。
コーディネートにあまり色を使いすぎると、まとまりがない印象を与えてしまいます。そのため、困ったときは帯揚げや帯締めなどの小物と、重ね衿の色柄を合わせる方法がおすすめです。
例えば、赤系でまとめた振袖と帯に、重ね衿と帯揚げを緑で合わせて差し色にすると、全体に統一感が出て、コーディネートが引き締まります。
使われている素材で、重ね衿を選ぶ方法もおすすめです。
重ね衿にはパールやビーズ、ラインストーンなどが付いたデザインや、レースやベロア生地を使用したデザインなど、さまざまな種類があります。
振袖にはない素材を使った重ね衿を取り入れると、個性的で華やかな印象を与えられます。
振袖に好みの素材を使った重ね衿を合わせて、現代風のおしゃれなコーディネートを楽しみましょう。
振袖の色別に、合わせやすい重ね衿の色を解説します。下記の表にまとめたので、重ね衿選びの参考にしてください。
赤の振袖 | 赤の振袖に合う色は、緑や紫、黄、黒です。反対色の緑は若々しいフレッシュな雰囲気に、同系色の紫は大人っぽい印象になります。
赤の振袖は合わせる色を比較的選ばないため、気になる色の重ね衿があれば合わせてみるとよいでしょう。 |
青の振袖 | 青の振袖には、白や金、赤、黄の重ね衿が合います。紺などの濃い色の振袖なら、全体が暗くならないように、赤や黄などの明るい色の重ね衿がおすすめです。 |
緑の振袖 | 緑の振袖に合わせやすい重ね衿の色は、黄や赤です。黄や赤系の重ね衿を合わせると、豪華な印象になります。 |
黄の振袖 | 黄の振袖なら、赤や緑の重ね衿が合わせやすいでしょう。色味の近い緑や黄の重ね衿を合わせると若々しい雰囲気に、赤は華やかな印象になります。 |
白の振袖 | 白の振袖に合わせやすいのは、赤やピンク、金の重ね衿です。華やかな色の重ね衿で顔周りにアクセントをプラスすると、女性らしい雰囲気の白い振袖がさらに引き立ちます。 |
紫の振袖 | 紫の振袖は、黒やパステル系の重ね衿が合わせやすいです。濃い色はクールな雰囲気に、明るいパステル系なら上品な印象になります。 |
まとめ
和服を特別な日に華やかに彩る重ね衿は、選び方次第で振袖の印象を大きく左右します。重ね衿の素材や飾り、色などを振袖と合わせながら、なりたい着こなしになるように重ね衿を選びましょう。重ね衿の色は、振袖と合わせたり、帯揚げや帯締めなどの小物に合わせたりするのがおすすめです。どのように重ね衿を合わせればいいか悩んだときは、振袖レンタルや写真館の担当者に相談するのもおすすめです。美しい和服姿で、大切な日をさらに輝かせましょう。