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振袖のサイズ選びは、洋服とは異なる基準が必要です。洋服は体の寸法に基づいてサイズが決まりますが、振袖は着物自体の寸法によって決まります。特に重要なのは、身丈、裄丈、袖丈の3つの寸法です。これらを正しく理解し選ぶことで、美しい着こなしが実現します。
本記事では、振袖のサイズの基本や測り方、選び方のポイントについて詳しく解説します。成人式や特別なイベントで最適な振袖を選ぶための知識を身につけ、自信を持って素敵な一着を見つけましょう。
目次
(★画像:振袖を着て疑問を抱いている様子の女性の写真)
振袖のサイズは洋服とは異なります。洋服のサイズは、服自体のサイズではなく着る人の体のサイズを指します。バスト・ウエスト・ヒップなどのサイズを基準に、S・M・Lや5号・7号・9号のように分けられているのが一般的です。
一方、和服は服自体のサイズによって区別されます。振袖のサイズ調節を行う場合、身丈・裄丈・袖丈の3つのポイントに手を加えることが多いです。
また、振袖は同じサイズでも一枚一枚サイズ感が若干異なります。加えて、着物はお店によってサイズ形式が異なるため注意が必要です。振袖選びの際には着物のサイズが自分の身長・体型に合っているかなどをしっかりと確認し、分からないことがあれば振袖専門店などに質問しておくとよいでしょう。
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振袖は着付けの際にある程度サイズ調節ができます。特に重要となるのが、身丈・裄丈・袖丈の3つのサイズです。それぞれのサイズがどこを指すのかや、許容範囲の長さなどについて説明します。
身丈とは、着物の縦の長さのことです。具体的には、首を包む「肩山」から足首にかかる裾までの長さを指します。振袖の場合、「おはしょり」と呼ばれる帯の下の折り返し部分もプラスした長さが設定されています。
振袖の身丈が短すぎるとおはしょりが取れず、きれいに着こなせなくなるため注意が必要です。身丈の標準的な長さは身長と同じで、±5cm以内であればおはしょりで調整の上問題なく着られます。
裄丈とは、腕の部分の長さのことです。着物の場合は、背中の中心にある「背縫い」という部分から袖口までの長さを指します。
裄丈のちょうどよい長さの目安は、手のくるぶしが隠れる程度です。裄丈の長さに明確なルールはなく、昔は今に比べて短い裄丈が主流でした。着物を普段着として着用していた時代には、家事などの日常動作で邪魔にならないよう、短めの裄丈が好まれていたと言われています。
現在の振袖は使い勝手よりも見栄えを重視することが多く、裄丈を長めにするのが一般的になっています。
袖丈とは、振袖を着て腕を広げたときに垂れる、袖の縦方向の長さのことです。袖の上の部分である「袖山」から「袂(たもと)」までの長さを指します。振袖を着用する際、袖丈の長さが短すぎたり長すぎたりすると、美しい着こなしになりません。そのため、身長に合わせて適切な長さを選ぶことが大切です。
袖丈の長さは、身長×0.7程度が適切とされています。ただし、身長に応じて長さを算出しても、体型によっては長く見えたり短く見えたりするケースもあります。そのため、実際に試着して袖丈の見え方を確認するのがおすすめです。
着物になじみがない人は、振袖のサイズの選び方が分からず困惑するケースも少なくありません。振袖は、身長や体形に合わせてパーツごとに長さを調整することが大切です。今回は振袖のサイズを測るときの4つのポイントについて解説します。
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着物の身丈は、本来であれば肩から下の長さで測りますが、女性の場合はおはしょり分も含めて身長+数cm程度で測るのが一般的です。身長=身丈もしくは身長から約5cm以内の短さであれば問題なく着用できるケースが多くなっています。
ただし、ぽっちゃり体型の人は着ているうちに生地が上がってしまうので、身長+8~10cm程度を目安にするとよいでしょう。
裄丈は、腕を真横に伸ばした状態で計測すると短く、真下に下ろした状態で測ると長くなってしまいます。そのため、どの角度で計測するかが重要になります。
裄丈を測る際には、腕は斜め45度に上げるのがコツです。首の付け根の真後ろから肩の頂点を通り、手首のくるぶしまでを結んだ長さが裄丈になります。
振袖の袖丈の長さには、大きく分けて大振袖・中振袖・小振袖の3つのタイプがあります。成人式では、袖丈が約95cmの「中振袖」の振袖を着用するのが一般的です。中振袖には適度に格式高い雰囲気があり、バランスがよく立ち姿がきれいに見えるというメリットがあります。
なお、大振袖は結婚式の衣装に使われるケースが多く、小振袖は動きやすいのが特徴です。
振袖の前幅(まえはば)と後幅(うしろはば)はヒップサイズから割り出します。ヒップ寸法は最も幅がある部分で測るのがポイントです。
成人式当日は、振袖を着たまま立ったり座ったりする機会が頻繁にあります。そのため、前幅や後幅はややゆとりを持たせるのが一般的です。ヒップが大きい人は後幅を少し広めにすると動作が楽になります。
適切な着物のサイズを把握するために、メジャーを使った身丈・裄丈・身幅・袖丈のサイズ計測の方法を紹介します。
身丈の測り方 |
振袖の場合、身丈は身長+5cm程度がベストサイズなので、大体の身長が分かれば問題ありません。仮に姉妹などで同じ振袖を着回す場合、身長差が5~6cm程度であれば問題なく着用できます。身長差が10cmを超える場合は身丈が長すぎるか短すぎてしまうので、兼用は避けたほうがよいでしょう。 |
裄丈の測り方 |
まずは真っ直ぐに立ち、腕を斜め45度の角度で上げます。次に、首の付け根にある脊椎の部分から肩の真上の部分までを通り、手首のくるぶしまでの長さを測りましょう。裄丈は体の後ろ側から計測する必要があり、1人で測るのは難しいので、家族などに手伝ってもらうのがおすすめです。 |
身幅の測り方 |
「身幅」は前幅と後幅を含む身頃の幅のことを指します。身幅は腰回りの一番太い部分で測る必要があるので、一般的にはヒップのサイズを計測することになります。ただし、腹囲や太ももが太い人は、ヒップと合わせてサイズ計測し、身幅を決める目安の1つにするとよいでしょう。 |
袖丈の測り方 |
袖丈は着付けでの調整ができない部位です。着物の袖山から袖下までを真っ直ぐ測定することで袖丈が分かります。振袖の袖丈は、膝より下かつくるぶしより上の長さが目安です。なお、身長150cm以下の女性が中振袖の振袖を着用した場合、袖が地面に付く可能性があります。袖丈が長すぎる場合は、厚底の草履を履くか、袖丈の寸法直しを依頼するといった対策を取るとよいでしょう。 |
自分に合ったサイズの振袖を選ぶには、以下のポイントを押さえることが大切です。
・採寸の際はほかの人に協力してもらう
・振袖のサイズはお店の人と相談しながら決める ・振袖以外の小物のサイズも確認する ・オンラインショップで購入する際にはサイズに特に注意する |
振袖のサイズを測るとき、自分1人でチャレンジする人も少なくありません。しかし、自分で測るとなかなかピッタリなサイズを算出できないため、家族か、可能であれば着物の専門知識を持ったお店のスタッフなどにお願いするのがベストです。また、長襦袢や足袋、草履など、振袖以外の小物のサイズも合わせて確認しておきましょう。
振袖をネットオークションやオンラインショップで購入する場合、試着ができないのでサイズに特に注意が必要です。サイズが小さかった場合は着付けでの調節も難しくなるため、振袖各部についてしっかりとサイズ確認してください。
自分に似合う振袖の選び方は?肌の色・身長・体型ごとにポイントを紹介!
振袖のサイズ選びは、着物ならではの独特な基準が重要です。身丈は身長に基づき、裄丈は腕の長さから測定し、袖丈は着物の見栄えに大きく影響します。各寸法を正確に把握することが、振袖を美しく着こなすための鍵です。
特に、試着や専門スタッフのアドバイスを活用し、自分に最適なサイズを選びましょう。また、振袖以外の小物のサイズ確認も忘れずに行うことも大切です。この記事の情報を参考に、理想の振袖を選び、特別な日を一層華やかに彩ってください。